「韓国ドラマのセリフを真似して言ってみたけれど、なんだか自分が言うとパッとしない……」
「一生懸命に覚えた韓国語のフレーズを旅行先で使ってみたのに、通じなかった……」
ハングルを学び始めた多くの日本人が、一度はこのような「発音の壁」にぶつかって深く悩んでしまいます。
単語や文法はあんなにスラスラ頭に入るのに、いざ声に出した瞬間に、自分の声が急に「不自然な日本語っぽい韓国語」になってしまうのは、本当に悔しいものですよね。
日本人が「韓国語の発音が難しい」とつまずく最大の理由は、
「生まれてからずっと使い続けてきた、日本語の『省エネすぎる口の動かし方』を、そのまま韓国語に持ち込んでしまっているから」です。
日本語という言語は、「口の周りの筋肉を使わず、息もほとんど吐き出さずに話せる、超・省エネな言語」です。
それに対して韓国語は、「口の形をダイナミックに変え、吐き出す息の量をコントロールしながら話す言語」です。
つまり、根本的な「口の使い方」が全く異なっているのです。
この記事では、多くの学習者が無意識のうちにハマってしまう「発音の落とし穴」の原因をすっきりと解き明かします。

私も初渡韓の際に、現地で「私の韓国語は通じない、、?」という事を何度も経験しました。
日本人が韓国語の発音を「難しい」と感じる2つの理由

韓国語は、語順が日本語と全く同じであり、漢字から作られた単語(漢字語)も多いため、私たち日本人にとって最も親しみやすく、マスターしやすい言語だと言われています。
しかし、それなのに「発音」となった途端に多くの人がパニックを起こしてしまうのはなぜでしょうか。
その原因を突き詰めると、日本語と韓国語の「音の設計図」にある、決定的な2つの違いが見えてきます。
私たちが、どこでつまずいているのか、その正体を具体的に紐解いていきましょう。
1.日本語にはない「母音」の壁
日本人が韓国語の発音に激しい苦手意識を抱く1つ目の理由は、日本語と韓国語における「母音の数の圧倒的な差」にあります。 母音とは、日本語でいうところの「あ・い・う・え・お」の音のことですね。
私たちが普段使っている日本語の母音は、ご存知の通りたったの5個しかありません。
私たちは生まれてから今日まで、この5個の音だけを組み合わせて全ての会話を成立させてきました。
そのため、口の形をそれほど細かく変えなくても、なんとなく言葉が正確に通じるという、非常に恵まれた(そして少し甘やかされた)環境で育っているのです。

日本語は、なんとなくボソボソ話しても聞こえるもんね。
しかし、韓国語の世界に一歩足を踏み入れると、そのルールは一変します。
韓国語の基本となる母音は、なんと10個もあります。
さらに、それらの音を2つ重ねて発音する「合成母音」という複雑な仲間たちまで合わせると、
ハングル全体で全部で21個もの母音が存在しているのです。
5個の母音しか発声してこなかった日本人が、いきなり21個の母音を発声するのですから、難しく感じるのは当然のことだと言えますよね。
中でも、まず日本人がハングルを発声するうえで高確率で大苦戦し、頭を抱えてしまうのが以下の2つのグループです。
教科書のCDやアプリの音声をどれだけ真剣に聴いても、私たち日本人の耳には、これらがすべて同じ「お」や「う」に聞こえてしまいます。
なぜなら、私たちの脳が「これは日本語の『お』の仲間だな」「これは『う』の仲間だな」と、勝手に一番近い5個の母音の箱に自動仕分けしてしまうからです。
その結果、自分で話すときにも、すべて日本語の省エネな「お」と「う」の口の形で発音してしまいがちになります。

21個覚えるのも大変なのに、発音まで、、、ってなりますよね。
21個を覚える時に、目と耳で、発音もセットでしっかり覚えちゃいましょう。
本に載ってるカタカナだけ覚えてはダメです。テキストCDやアプリなどを使いながら、しっかり発音を聞きながら、違いを聞き分けながら、発音しながら覚えましょう!
2.息の量や強さで意味が変わる「子音」の仕組み
日本人が韓国語の発音を難しく感じる2つ目の理由は、
声の出し方、特に「口から吐き出す息の量」のルールが、日本語の常識とは180度ひっくり返っている点にあります。
日本語において、音のバリエーションを使い分けるときの絶対的な基準は、「点々(濁点)がつくかどうか」ですよね。
例えば、「か(Ka)」という音と「が(Ga)」という音の違いを、私たちは「喉の奥にある声帯を震らせて、声を濁らせるかどうか」だけで判断しています。
ところが、韓国語の子音の世界では、この「音が濁るかどうか」という基準はあまり重要視されません。
それよりも遥かに大切なのが、「口から吹き出す息の量がどれくらい多いか」、
そして「喉の奥の筋肉にどれくらい力を入れているか」という、息のコントロール能力なのです。

発音もそうだけど、韓国語は発声に関しても日本語とは異なる様に感じます。
というのも、韓国の方て、声量もあるし歌が上手い!(一般の方も)
韓国チング(友達)ができたら、一緒にノレバン(カラオケ)に行ってみてください。
きっと歌が上手だと思いますよ♡(特に男性!)
韓国語の子音は、この息の量と喉の緊張度によって、次の3つの全く異なるグループに分類されています。
- 平音(へいおん):普通の強さの音。余計な力を入れず、軽く息を吐き出しながら優しく出す、リラックスした音です。
- 激音(げきおん):激しい音。喉の奥に溜まった空気を、一気に「ふっ!」と勢いよく前方に吹き出しながら発声する、とてもパワフルな音です。
- 濃音(のうおん):濃い音。激音とは真逆で、外に出ようとする息を喉のシャッターで完全にガチッと塞ぎ、喉を限界まで詰めながら「っか!」と弾けさせる音です。
私たち日本人は、これまでの人生の中で「息の量を細かく調節して、言葉の意味をガラリと使い分ける」という体の動かし方を一度も経験したことがありません。
そのため、頭では分かっていても、いざ実践しようとすると体が上手く連動せず、すべてが中途半端な日本語の音になってしまいます。
これが、韓国語の発音が「どうしても通じない」と悩む最大の原因なのです。

韓国語のレベル試験などに、この3つの音(平音・激音・濃音)を聞き分けるテストがあると思います。耳が慣れるまでは、少し難しいかもしれないですがトライしてみてください!
劇的に伝わりやすくなる!日本人でもネイティブに通じる発音のコツ

ここからは、あなたの発音を日本語っぽさから完全に脱却させ、ネイティブの耳に一発で突き刺さる「伝わる韓国語」に変えるための、具体的なアクションプランを提示します。
今すぐその場で体を使って、楽しく実践してみましょう。
1. 口の形を大げさに!「基本の母音」を正しくマスターする方法
母音の難関を乗り越えるためには、
「普段の日本語を話すときの、最低でも1.5倍から2倍は大げさに、口の形をこれでもかと動かすこと」です。
周囲の目を気にしてモゴモゴと上品に話していては、韓国語の正しい音は絶対に生まれません。
顔全体の筋肉をフルに引っ張るイメージで、次の「2組の難関母音」の発声を体に叩き込んでいきましょう。
① 2つの「お」(ㅓ)と(ㅗ)を100%使い分ける魔法のアクション

ㅓ(あごを真下にガクンと落とす「お」)- まず、口を「あ」の形に大きく開いてください。
その「あ」の開き具合を完全にキープしたまま、頭のイメージだけで「おー」と声を震わせます。
あごを真下にガクンと落とし「お」と発音してみてください。
日本語の「お」よりも、かなり明るくて「あ」に近い、開放的な響きの音になります。
- まず、口を「あ」の形に大きく開いてください。
日本語にはない音ですね。
イメージしやすいのは、、英語の「coffee」の最初の「co」を発音するときの、(こ)と(か)の中間の音と、口の開け方を意識しながらやってみてください。
ㅗ(タコのように唇を尖らせる「お」)- 今度は、唇をこれ以上無理だというレベルまで前方にグッと突き出します。
その状態のまま、ハッキリと短く「お!」と発声します。日本語の「お」に近い、音が一つに凝縮されたような、非常に引き締まった鋭い音になります。
- 今度は、唇をこれ以上無理だというレベルまで前方にグッと突き出します。
参考:「出典:@mina.koreanschool(Instagram)」

ーコングリッシュとジャングリッシュの話ー
和製英語の「コーヒー」みたいな事と同じで、韓国にも韓国製英語があります。
例えば英語の「coffee」は、和製英語で「コーヒー」、韓国製英語で「コピ(커피)」です。
ここで、注目なのが、커피(コピ)の 「커」です! 母音に「ㅓ」が使われています。
この日本語にない音(母音)を使う事で、韓国製英語がより英語の発音に近くなるわけです!
② 2つの「う」(ㅡ)と(ㅜ)を100%出し分ける魔法のアクション

ㅡ(満面の笑みで「イー」と言いながら出す「う」)- 上下の歯を軽くカチッと噛み合わせた状態を作り、その歯の隙間から「うー」と声を絞り出してください。喉の奥が少しこもった独特な「う」の音になれば大正解です!
ㅜ(おねだりをするように突き出す「う」)- 先ほどのタコの口(
ㅗ)のときよりも、さらに1センチ前に突き出す気持ちで、唇をツンと鋭く尖らせます。その極端な形のままで、ストレートに「うー」と発声してください。
非常に深く、遠くまで響く「う」の音になります。
- 先ほどのタコの口(
参考:「出典:@nana__korean.lg(Instagram)」
ー今すぐ実践!インカメラチェックー
①今持っているスマホのインカメラを起動し、自分の口元が画面に大きく映るように構えてみてください。
②そして、上記の4つの音を「ㅓ → ㅗ → ㅡ → ㅜ」の順番で、1音ずつ丁寧に発声してみましょう。
画面の中の自分の顔が、自分でも笑ってしまうくらい極端に変形していれば合格です!
2. 息のコントロールが鍵!「激音」と「濃音」の簡単な出し分け方

続いて、多くの学習者を恐怖に陥れる「平音・激音・濃音」の3つを、一瞬で綺麗に発声するための最強のメソッドをご紹介します。
頭の中で「息の量がどうのこうの……」と考えても、口の筋肉はすぐには動いてくれません。
そこで、以下を是非試してみてください!
「ティッシュペーパーを1枚」用意してください!
①ティッシュペーパーの上側の端を片手でつまみ、自分の口のすぐ目の前(だいたい3〜5センチほど離した位置)にだらんとぶら下げます。
②このティッシュの動きを鏡で観察しながら、息の量をコントロールする感覚を視覚的にマスターしていくのです。
① 激音(けきおん)のトレーニング:目の前のティッシュを吹き飛ばせ!
激音の正体は、喉の奥に限界まで溜めた空気を、一気に前方に爆発させる音です。
- 口の前にぶら下げたティッシュに向かって、お腹の底から「ふっ!!」と強い息を吹き付けます。その激しい息の勢いに便乗させる形で、「カ!」「タ!」「パ!」と声を乗せてみてください。
- 感覚のコツ:文字の頭に、小文字で「っふ」というブレスを入れる感覚です。「っふカ!」「っふタ!」と言ってみましょう。
- 大成功の目安:発音した瞬間に、目の前のティッシュが「バサッ!」と大きな音を立てて、後ろ側に激しくめくれ上がればクリアです。
② 濃音(のうおん)のトレーニング:ティッシュを1ミリも揺らすな!
濃音は、激音とは完全に真逆です。「声はめちゃくちゃ大きいのに、外に出ていく息の量は完全にゼロ」という、日本人が最もやったことのない不思議な音です。
- プールに飛び込む直前に息を「グッ」と止めるときや、重い荷物を持ち上げるとき、あるいは出そうになったクシャミを鼻の奥で必死に耐えるときのことを思い出してください。あのとき、喉の奥のシャッターがガチッと閉まりますよね。
その「喉を完全に閉じた状態」をあらかじめ作っておき、息を外に1ミリも漏らさないように注意しながら、「カ!」「タ!」「パ!」と音を弾けさせます。 - 感覚のコツ:文字の頭に、小さな「っ」のストッパーを挟み込みます。「っカ!」「っタ!」「っパ!」と、喉の筋肉を使って思い切り音をジャンプさせるイメージです。
- 大成功の目安:いくら大きな声を出しても、口の前のティッシュが「ピタッ……」と静止したまま、1ミリも揺れなければ大成功です。
③ 平音(へいおん)はその中間にセットする
ちなみに、基本の音である平音は、私たちが普段話している日本語の「か、た、ぱ」の音に一番近いです。
肩の力を完全に抜き、リラックスした状態で発声しましょう。
ティッシュが「ふわっ」と優しく、少しだけ前方に揺れるくらいの息の量になれば完璧です。
このように、ティッシュという「目に見える道具」を1枚使うだけで、自分の口から今どれくらいの量の息が飛び出しているのかが、リアルタイムで100%分かるようになります。
ゲーム感覚でティッシュを激しく揺らしたり、ピタッと止めたりして遊んでいるうちに、喉の周りの筋肉が正しい力の入れ方を自然と記憶してくれます。
参考:「出典:@cider_korean_school(Instagram)」

そうは言っても、あまり意識しすぎると楽しく勉強できなくなる事もあるかあもしれません。ただ意識して欲しいのは、テキストや本に書かれているカタカナを、そのまま発音して覚えてしまうと、どうしても日本人が発音する韓国語になってしまいます。
単語でも会話でも、とにかくCDでもアプリでも韓国語の手本をちゃんと聴いて、頭に記憶させる事をオススメします。
韓国で通じるネイティブな発音を覚える為には、目で見て、耳で聴く!
そして口周りを柔軟に動かし、はっきりと発音しながら覚えましょう♡
まとめ
日本人が韓国語の発音を難しく感じてしまう最大の原因は、あなたの能力のせいでも、耳のセンスのせいでもありません。
単に「日本語を話すときの、口をあまり動かさない省エネな癖」が、体に深く染み付いてしまっているだけです。
ネイティブの人たちに一発で伝わる、クリアで美しい韓国語を手に入れるために、まずは今日から次の2つのシンプルなアクションを生活に取り入れてみてください。
発音のトレーニングは、机の上でガリガリとノートにペンを走らせる勉強とは本質的に異なります。
頭の良さは関係なく、実際に口を動かして練習した分だけ、誰でも確実に、嘘みたいに上手くなっていきます。
現地の人やネイティブの友人とのコミュニケーションが、今よりも何倍も、何十倍も楽しくなる最高の未来を心から応援しています。


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